石油ストーブとエアコンはどちらがお得?暖房器具-北海道編

石油ストーブとエアコン - 暖房費論争

冬期間の暖房器具として石油ストーブ(灯油ストーブ)を使うのと
エアコンを使うのではどちらがお得なのか?

これを調べようとすると,たくさんの関連記事が出てきます。

記事によって石油ストーブがコスパが良いというものもあれば,
エアコンを使用する方がコスパが良いということもあります。

  • 実際にどこに住んでいるのか?
  • 住居の間取りはどれぐらいなのか?
  • どれぐらい厳寒期は外気が寒くなるのか?
  • 家の断熱効果はどれぐらいあるのか?

などなど色々関係してくるのでこれが正解!と言うのも中々難しいと思います。

それで今回は実際に北海道に住んでいる私が,
暖房器具にエアコンとストーブを使った場合,
どちらが安くなったのかという実際の現場の声を紹介したいと思います。

灯油代が1時間云々,電気代が1時間云々・・・,
ということは抜きにして,1か月実際に使ってどれぐらいの違いがあるのか,
どちらの方がコスパが良いということが分かったか挙げていきます。

私の住んでいる北海道の地域と家の状況

まず北海道といっても広いので,一括りにできませんが,
私の住んでいる地方は冬期間でマイナス10℃以下になる地域です。

厳寒期にはマイナス15℃ほどになることもあります。

でもこの数字は北海道では割とスタンダードで,
北海道の南の地域(道南)でもマイナス10℃になることは普通です。

寒い地域ではマイナス30℃とかになりますが,
そこまでの地域ではありません。

そして住居はアパートサイズの集合住宅(2LDK)になります。

1戸建てであればまた状況が変わりますので,今回の例は,

  • 北海道 -10℃前後の冬期間の気温
  • アパートサイズの住居(2LDK)

という状況の場合,
石油ストーブとエアコンとどちらが安くなるかという点です。

北海道の一般的な住居について

まず北海道の一般的な住居についてお伝えしておきます。

北海道の住居は一般的に暖かく,断熱効果に優れています。

山ワサビ

これはマジで,本当にそうです。

北海道では外気がマイナスの厳寒期でも,
家の中は石油ストーブをガンガン焚いて,住民は部屋でTシャツで過ごすということを,
一度は聞いたことがあるかもしれませんが,・・・それは事実です。

古い家ですとまた話が変わりますが,
基本的に断熱材がしっかり入っていて,
家自体の密封性も高く作られていることがあるので,家の中が比較的温かいのです。

窓を見ると,北海道の家がなぜ温かいかが一発で分かります。
2重窓(ガラス2枚構造の窓)になっていたり,
それにプラスして2重サッシが設置されていたりします。(今は3重ガラス構造の窓もあります)
これだけで外気温からかなり守られます。

密封性も比較的高いので寒い空気が家に入ったり,
暖かい空気が逃げていくということも少ないです。

わたしも以前,東北地方に住んでいたことがありますが,
比較的寒い地域であるにも関わらず,とにかく家が寒かった・・・。
家の作りが北海道と違うので家の中が寒いという表現が合っていると思います。

窓も1枚ガラスですし,
断熱材もおそらくしっかり入っていないのだろうと思います。

その地域の人は家の中でダウンを着て過ごしていて,
衝撃を受けたことがありました。

なんで家でダウン着ているの?どっか行くの?という思いです。
家の中が寒いので,たくさん着て過ごすのが普通なのです。

ですから基本的に北海道の家は温かく過ごせるように作られています。
(まあ,それでも古い家は寒い場合もありますが・・・。)

しつこいですが,そのような北海道の住居での石油ストーブ,
あるいはエアコンを使った場合についてです。

石油ストーブを使った場合

上記の状況を踏まえたうえで石油ストーブを使った場合,
どれぐらい月に灯油代がかかるのかを紹介いたします。

本州では家にある石油ストーブはポータブル式が多いですが,
北海道のほとんどのお宅では設置式の石油ストーブが普通です。

値段もピンキリですが,4万円以上からになるでしょうか。
煙突式のものか,FF式のものかでまた値段が変わったります。
床暖機能がついているものでしたら,軽く10万円を超えていきます。

FFストーブというと北海道の人はすぐに分かりますが,
これを本州の方に言っても分からない方も多いです。

設置式の石油ストーブは北海道ではまさにスタンダードと言えるでしょう。
また大抵は設置式に加えて,各部屋ごとにポータブルの石油ストーブや
石油ファンヒーターを置いているお宅も多いです。

ここ20年ほどで,一括で家全体の暖を取れるセントラルヒーティングも増えてきました

アパートタイプの住居でも同様に設置式の石油ストーブを使用することが多いですが,
その場合,灯油代は冬期間だけでひと月に1万円以上かかります。

家によっては灯油ボイラーも使用することも多いので,
もっと灯油代がかかる場合もあります。
ちなみに実家の1戸建ては灯油代が冬期間で2~3万円ほどになります。

私の住居ではお湯はガスボイラーを使っているので,
灯油は単純にストーブだけに使用していきますが,それでも1万円はかかります。
それでも安い方だと考えていました。

家にいる時間が長かったりペットがいたりすると,
それだけストーブを使うので,結構灯油代がかかってしまいます。

2LDKサイズの住居のうちの場合,
1万円~1万3千ぐらいが冬期間の灯油代になるのです。

エアコンを使った場合

北海道でも最近は夏が30℃以上になり,暑い日が続くこともあります。
エアコンを設置しているお宅も増えていますが,
エアコンがないというお宅もまだまだたくさんあるのが現状です。

私は本州に住んでいた時に使っていたエアコンをそのまま持ち帰り,
勿体ないので自分でエアコンを設置しました。
そして夏も冬期間もエアコンを使用しています。

ではエアコンを冬期間に使った場合,電気代はどれぐらいになるでしょうか。

平均すると6,000~7,000円になります。

一番寒い時期となる1月2月はもう少しかかりますが,平均では大体これぐらいですね。
あまりお得感を感じないかもしれませんが,でもちょっと待ってください。

この電気代はエアコンだけを使用したものではなく,全体の1か月の電気代になります。

つまり普段は月に3,000~4,000円ほどの電気代を支払っているので,
冬期間は暖房費としてプラス3~4千円を支払っているだけになります。

灯油代は1か月に1万円の暖房費がかかるのに対して,
エアコンを使うと1か月に3~4千円の暖房費になるということです。

断然エアコンの方が安い!ということに気づいてしまったので,
我が家では冬期間は暖房にエアコンを使用しています。

設定温度は24~25℃ほどで使用していますが,それでも十分家の中は暖かくなります。

ですので現在は設置式のストーブは撤去して,
予備のポータブルの石油ストーブをたまに使うぐらいです。
(本当に外が極寒の時にエアコンとプラスしてポータブルストーブを使用します)

予備にポータブルの石油ストーブを使っても,
ワンシーズン(5か月ほど)で灯油代は5千円ほどです。

マイナス10℃前後になる北海道の地域で,
2LDKぐらいのサイズの住居の場合は,
圧倒的にエアコンの方がコスパが良いことを理解して頂けると思います。

エアコンは空間を温めてくれるので,実はかなり家の中は暖かくなります。

私は北海道の方に暖房器具としてのエアコンの威力を知ってほしい!
と個人的に感じています。

今のエアコンは暖かいですから。
夏,冬と活躍してくれるエアコンは重宝します。
最近は1戸建て住宅でも暖房器具にエアコンを設置するお宅もあります。

実際に使ってみたら,圧倒的にエアコンが安かったのです!

エアコンにも弱点はある

とは言え,エアコンにも弱点がありますのでそれも紹介します。

厳寒期にエアコンを使用しているとどうしても生じるのが,霜取り機能です。

エアコンの室外機の熱交換器(いわゆる熱や冷気を作り出す部分)に
氷や霜などが付着してしまうと,それを取り除く機能が働きます。

この霜取り機能が動いているときは,エアコンの温風が止まってしまうので,
厳寒期の夜に温風が止まると寒さを感じることがあります。

知らない方はエアコンが壊れたと勘違いするかもしれません。

時間にしておそらく10分ほどだと思いますが,
冬期間エアコンを使っていると,たまに霜取り機能を体験するはずです。

またやはり電気を使用するので,
万が一停電になったときは暖を取れなくなる可能性もあります。

設置式の石油ストーブも電源をコンセントに刺すので同じですが,
電気を必要とする暖房器具だけに頼ると,万が一の時に痛い目に合ってしまいます。

ですので,大抵はどのお宅でもポータブル式の石油ストーブがあります。

電源がなくても使える石油ストーブがあれば,
災害時にも役立つので1台は電気に頼らないものがあると良いと思います。

我が家ではお勧めのポータブル石油ストーブがあるので,これもそのうち紹介したいと思います。

まとめ

どこに住んでいるのか?外気がどれぐらい寒くなるのか?

家の広さはどれぐらいか?断熱材が使われていて密封性は高いか?

これら様々な要素によって,石油ストーブが良いのか,
エアコンが良いのかは変わってくると思います。

どの場合もエアコンが安くなるということではありません。

石油ストーブの方が安くなる場合も当然あると思います。

今回は一般的に寒いとされる北海道の地域で,
2LDKサイズの住居の場合であればエアコンの方が暖房費が安い!
ということを紹介いたしました。

エアコンは冷房器具だけでなく,暖房器具としても実は活躍するのです。
北海道に住んでおられる方にも,エアコンは是非お勧めします。

暖房費を大幅に削減できることも,倹約生活にはありがたいことなのです。